路面電車で行こう。

御室仁和寺〜宇多野

  • 妙心寺(みょうしんじ)
  • 鳴滝〜常盤(なるたき〜ときわ)

すっかり寒くなりましたが、いかがお過ごしですか?
私は、紅葉の見頃がまだ続いていた12月上旬、
御室仁和寺駅に行ってきました。

旧文字の駅名板が掲げられたこの駅の駅舍は、
「近畿の駅百選」にも選ばれている、嵐電で一番風情のある駅です。
駅正面には仁和寺の二王門が見えるというロケーションで、
仁和寺参りには一番便利。

さて、そんな駅から始まる今回のN編集長ミッションは、

フォトジェニックなスポットを探せ

つまり「写真映えするスポットを探せ」ということですね。
うーん、そんなスポットはまったく思いつきませんが、
行き当たりばったりで出発!

まずは、世界文化遺産でもある仁和寺へ…
と思っていると、「月の輪」というかわいいカレー屋さんを発見。
いきなり寄り道します♪

半年間インドに滞在していたという店主の希和さんが、
現地の人に教わった家庭料理としてのカレーを、
定番&週替わりで提供しているというお店でした。
店内の雰囲気は、カレー屋というよりお洒落なカフェという感じで、
チャイを飲んでほっこりしたくなります。

聞けば、希和さんは、この近くの小学校出身という地元っ子。
おすすめの場所を聞いてみました。

「双ヶ丘(ならびがおか)のてっぺんからの眺めがいいですよ。
あとは、御室仁和寺駅から宇多野駅までの線路沿いの道。
仁和寺裏山の『御室八十八ヶ所霊場』めぐりもいいです」。

おおお、なんてパーフェクトなコメント!
そのとおりに歩いてみることにしました。

まずは双ヶ丘。仁和寺駅の南側にこんもりと見える小さな森がそれです。
一の丘、ニの丘、三の丘と呼ぶ3つの丘からなり、
古墳時代、豪族首長の墓だったというこの丘は、
平安時代には天皇の遊猟地、
南北朝時代には兼好法師が隠栖し、『徒然草』を著わした地。
1941年に国の名勝に指定されている、由緒ある場所なのです。

登り口は、麓に近づくとすぐにわかりました。

いざ、国の名勝登山へ!

一番高い一の丘頂上で116mという小さな丘なので、
10分もあれば登れます。道はきれいに整備されていました。

一の丘のてっぺんに近づいたところで展望がよくなり…

その先は、見よ、N編集長。
これが兼好の愛した双ヶ丘からの眺めだ!(←強気)

紅葉する成就山と、その麓に広がる仁和寺の五重塔、二王門、金堂…。
マンションもなく、見晴らしは最高でした。

というわけで、ひとつ目のフォトジェニック・スポットは、
双ヶ丘の一の丘に決定。
さらに、麓の「こもれびのひろば」と名付けられた辺りは、
落ち葉や紅葉が美しい、2つ目のフォトジェニック・スポットです。

わーい、わーい。調子に乗ってどんどん行くぞー。

次は宇多野駅まで線路沿いの道を歩きます。
道が線路より少し高くなっているから、電車を見下ろす形になって
撮るにはなかなかの良スポット。ほら。

遠くに愛宕山を望むのどかな情景が広がったり。

坂になっているので、登り下りで風景が変わるのが楽しい線路道です。

さらに宇多野駅まで行くと、もみじがたくさんありました。
そのまま撮っても絵にならなかったので、
駅の上に架かる道路へ行ってみると、
3つ目のフォトジェニック・スポット発見!

見よ、N編集長!(←さらに強気)

紅葉の宇多野駅と嵐電。うーん、我ながら絵になります!

すっかり気をよくしたので、まだまだ行きます。
向かうは「御室八十八ヶ所霊場めぐり」。

同霊場めぐりは、仁和寺の裏山・成就山に設けられた巡拝コース。
文政10(1827)年、当時は四国八十八ヶ所への巡拝が困難であったため、
時の仁和寺門跡・済仁(さいにん)法親王が
四国八十八ヶ所霊場の砂を持ち帰り、
仁和寺の裏山に埋め、その上にお堂を建てたのが始まりといわれます。

3kmほどの山道に88のお堂が建っており、
それぞれに四国八十八ヶ所霊場の本尊・弘法大師が祭られています。
約2時間で一周できます。

もはや散歩の域を超えてハイキングになってきましたが、
地元の方は健康のため「散歩がてら」登るそうなので、
行ってみることにしました。仁和寺の西側に入り口があります。

案内に沿って進むと、一番札所でいきなりきれいな紅葉がお出迎え。

まずは参拝してから撮影に。普通に撮るのもきれいですが、
もみじの下から撮ると一段と雰囲気アップ。
4つ目のフォトジェニック・スポットです。

では、登ってお参りしてきます。
木立の中に佇むお堂や、紅葉する山道。
標高236mと低いのですが、表情が変わって楽しい山です。

道すがら、いろいろな人に話しかけられました。

週に3回ほど登っているという地元の方。
「健康のためだから、スピードを意識して歩いている」とのこと。
景色のいいスポットを教えてくれるというので
がんばって付いていきましたが、とても追いつけません!

あえなく(付いていくのを)断念。

次に、毎日コースを往復しているという方にも会いました。

「このコースを440回歩いたら、
四国の八十八ヶ所霊場を全部徒歩で巡礼するのと
ほぼ同じ距離になるんです」

そう教えてくださったこの方は、
これまでに1420回の巡礼を達成しているそうです。
880回達成のときには、コースの中で景色のよい場所に
ベンチを寄贈されたという、大先達(せんだつ)。
巡礼中に拾ったという江戸時代の通貨「寛永通宝」を見せてくれました。
「その頃に参詣した人のお賽銭だと思う」。
お守りにして大事に持ち歩いているそうです。

はっ、普通にハイキングを楽しんでしまいました。
フォトジェニック、フォトジェニック…

「48番札所からの眺めがええよ」

アドバイスをいただいたので、48番札所に向かいます。
そこは成就山山頂付近で、愛宕から西山全体、
京都市内の展望が広がっていました。
山々の紅葉も稜線も、実にきれいです。
5つ目のフォトジェニック・スポットかな。

さらに進めば、南側の展望が開けた場所がありました。
麓の紅葉や、先ほど登った双ヶ丘を正面に、
京都タワーから大阪方面まで見渡せる絶景でした。

いい眺め…(ぼーっ)
いけないいけない、のんびりしていたら日が暮れそうです。

かなり下って、第65番札所へ。
ここも美しい紅葉が目の前に!

山麓にあるお堂が、晩秋の湿った空気をまとって
色とりどりの紅葉を輝かせて佇む、息をのむような景色です。
紅葉のトンネルに包まれる参道は、まさにフォトジェニック!

どうだ、どうだ、N編集長、ふふふ!(←余裕)

それにしても、沈む太陽との戦いです。急ぎます。
ようやく八十八番目の札所、結願所に到着したのは16時15分頃。

日没が早いこの時期は、無茶をせず余裕を持って登りましょう(反省)
無事にお参りできたことと、見事な景色に感謝。
次回は余裕を持って、ひとつひとつ丁寧にお参りしていきたいです。

地元の方がおっしゃるには、この霊場めぐりは、
「小さいこどもがおじいちゃんやおばあちゃんに連れられて、
すべてのお堂に1円ずつお賽銭を納めていくようなところ」だとも。
小さい頃に「拝む」ことを覚えられるというのは、
その後の人生で救われることがたくさんある気がします。

すばらしい自然と素朴なお堂をめぐる、御室八十八ヶ所霊場めぐり。
行って良かったあ。
紅葉シーズン真っ盛りの仁和寺エリアで、
ひと味違った紅葉狩りができました。今日はこれでおしまいです。

最後に報告を兼ねて、もう一度「月の輪」さんへ。
季節のベジタブルカレーをいただきます!

大根の甘みが感じられるやさしい味。

「カレーは、スパイスの使い方で何通りもできる。
自分を自由に表現できる料理なんですよ」

という希和さん。カレー談義、深みにはまりそう。

え?パンダちゃん、顔色変えて、どうしたの?

N編集長からメール?

「記事が公開される頃には紅葉は終わっているので、
紅葉以外の写真スポットでお願いします」

い、今頃言うなよ…

お知らせ

御室八十八ヶ所霊場めぐりに関心のある方は、
仁和寺主催の「八十八ヶ所ウォーク」への参加がおすすめです。
紅葉だけでなく、春の新緑、夏の濃緑、初秋の虫の音と、
年中魅力にあふれる成就山で、仏さまとのご縁を結んでみませんか?

2012年「八十八ヶ所ウォーク」
■開催日: 5/13(日)、6/10(日)、7/1(日)、
9/9(日)、10/14(日)、11/11(日)
■問合せ先: 仁和寺まで(TEL:075-461-1155)
http://www.ninnaji.or.jp

今回お邪魔したところ
月の輪
月の輪

京都市右京区御室小松野町25
075-406-0430
http://tukinowanowa.blogspot.com/

今回歩いた所